事例で解説!「名誉毀損にならない」安全な詐欺防止のための情報提供

他人の名誉を傷つける行為は、原則として不法行為となり、損害賠償などの責任を負います。しかし、被害を食い止めるための情報提供は、その目的や内容によっては責任を問われない場合があります。

 

1. 詐欺事例の公開は「公共の利益」につながる

民法上の不法行為(名誉毀損)の責任を免れるための重要なポイントは、その情報が公共性公益目的を持っているかどうかです。

要件 内容 詐欺防止のための情報公開の場合
公共の利害に関する事実(公共性) 社会一般の関心事や利害に関わる事実であること。 該当します。 詐欺の手口や被害の実態は、不特定多数の消費者の財産や安全に関わる重要な問題だからです。
もっぱら公益を図る目的(公益目的) 個人の恨みや嫌がらせではなく、社会全体の利益のために行動すること。 該当します。 「被害を拡大させない」「同じ手口で騙される人を減らす」という啓蒙活動は、まさに社会全体の利益を目指す行為です。

特に、詐欺事犯の実例を公開して啓蒙活動を行う場合は、刑事事件の判決文や客観的な証拠に基づき、その人物や手口が実際に詐欺を行ったと立証できるかどうかが鍵になります。

ポイント💡

詐欺防止の啓蒙活動であっても、その事実が全くの嘘であったり、真実と信じるだけの根拠のない憶測で個人の名前をあげてしまうと、名誉毀損の責任を負う可能性があります。「公益のため」という目的と**「真実であること」**の両方が重要です。

3. 名誉毀損が認められた場合の効果

上記の抗弁が認められず、名誉毀損が成立してしまった場合には、行為者は以下の責任を負います。

  • 損害賠償責任:被害者に対して、精神的・金銭的な損害を賠償する義務を負います。
  • 名誉回復措置:裁判所の命令により、損害賠償に加えて、名誉を回復するための適切な処分(例:謝罪文のウェブサイト掲載など)を行う義務を負うことがあります。

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