巧妙化する特殊詐欺から、あなたと大切な人を守るために
「特殊詐欺」とは、電話やメールなどで相手をだまし、現金を振り込ませたり、直接受け取りに来たりして財産を奪う犯罪の総称です。その手口は日々巧妙化し、AIによる音声の偽装や、事前に家族構成を調べ上げるなど、その悪質性は増すばかりです。
誰もが被害者になりうるこの犯罪から、あなたと大切な家族の財産を守るため、最新の手口とその対策、そして被害を防ぐための基本的な「3つの鉄則」を解説します。
特殊詐欺の主要な3つの類型と最新の手口
特殊詐欺は、ターゲットや状況に応じてさまざまな手口を使い分けます。
(1) オレオレ詐欺(家族・親族なりすまし型)
概要: 息子、孫、甥などを装い、「携帯をなくして番号が変わった」「トラブルを起こした(交通事故、痴漢、会社の金銭トラブル)」などと話し、緊急にお金が必要だと信じ込ませる手口。
最新の巧妙化:
AI音声の悪用: 短時間の通話で声が特徴を把握できないことを利用し、生成AIで家族の声色を偽装し、信憑性を高めようとします。
「新番号」偽装: 以前の電話番号で連絡を取り、信頼させた後に「携帯が壊れたのでこの番号(詐欺師の番号)にかけて」と誘導する手口が増えています。
キーワード: 「急いでいる」「誰にも言わないで」「代わりに現金を渡してくれる人が行く」
(2) 架空料金請求詐欺(不安・恐怖を煽る型)
概要: 「有料サイトの未納料金がある」「あなたの情報が流出した」「訴訟を起こす」などとメールやはがき、SMSで通知し、記載された番号に電話させます。その後、弁護士や公的機関を装い、金銭を要求します。
最新の巧妙化:
有名企業なりすまし: 大手ECサイトや決済サービスを名乗り、「アカウントが不正利用されている」などと通知し、偽のサイトへ誘導してクレジットカード情報を盗み取るフィッシング詐欺と連携しています。
コンビニ決済悪用: 「裁判を取り下げるために電子マネーを買い、番号を教えろ」と指示し、足がつかないように現金をだまし取ります。
キーワード: 「法的措置」「今日中に支払わないと大変なことになる」「電子マネーで購入」
(3) 還付金詐欺(親切・焦りを誘う型)
概要: 役所や年金事務所の職員を名乗り、「医療費や税金の還付金がある」と電話してきます。「期限は今日まで」などと焦らせ、被害者をATMに誘導。あたかも還付手続きをしているように装いながら、実際には犯人の口座に送金させて現金をだまし取ります。
キーワード: 「ATMで手続きが必要」「すぐに」「職員が操作を教える」
被害を完全に防ぐ!家族を守るための3つの鉄則
手口がどんなに変わっても、特殊詐欺を防ぐための基本原則は変わりません。この3つを徹底してください。
鉄則1:電話でのお金の話は「即断即答」しない
詐欺師は、あなたを焦らせ、冷静な判断力を奪おうとします。電話口で「急いでいる」「すぐに振り込んでほしい」と言われても、「すぐに電話を切って、改めて考える時間を作る」ことが最も重要です。
実行のポイント: どんなに親しい家族を名乗られても、「一度電話を切って、掛け直す」ことを徹底してください。
鉄則2:「合言葉」と「正規の連絡先」を確認する
本人確認と、相手が詐欺師ではないことの確認は、自分の手で行います。
家族間での合言葉を設定する: 家族しか知らない合言葉を決め、お金の話が出たら必ずその合言葉を確認する習慣をつけましょう。合言葉を言えない相手は、偽物です。
正規の連絡先へかけ直す:
息子や孫からの電話:「新しい番号だ」と言われても、必ず以前から知っている正規の電話番号にかけ直してください。
役所や銀行からの電話:電話番号をメモし、一度電話を切った後、公的な電話帳や公式サイトで正規の番号を調べ、改めて連絡し、事実確認をしてください。
鉄則3:公的機関は「ATM操作」や「カードの回収」は絶対にしない
詐欺師は、警察官や銀行協会職員を名乗って自宅へ訪問し、キャッシュカードを騙し取ろうとします。これは「だまし取ったカードをすぐに利用させない」という名目で行われます。
公的機関がATM操作を指示することはありません。
警察官や銀行員が自宅にキャッシュカードを回収に来ることは絶対にありません。
この事実を、あなた自身と、特にお年寄りのご家族全員が徹底的に認識することが、被害を防ぐ最後の砦となります。
困ったらすぐに相談を
少しでも「おかしいな」「怪しいな」と感じたら、一人で抱え込まず、必ず誰かに相談してください。
警察相談専用電話:#9110
緊急性のない相談や、不安に感じたことなど。
最寄りの警察署
緊急性の高い場合は110番。
この情報が、あなたの財産と家族の安全を守るための一助となることを願っております。